ヘルシンキ ハピネスハック

エンリケのハピネスハック体験

ハピネスハック体験の参加者であるエンリケが、世界で一番幸せな国フィンランドでの充実した旅について語ります。

クレジット: Svante Gullichsen

ブラジル人旅行者エンリケ・キリケッラ氏が語るヘルシンキで一番幸せな瞬間

クレジット: Miki Watanabe

2024年6月開催の「ヘルシンキ ハピネスハック」にはエンリケ・キリケッラ氏を含む参加者が選ばれ、さまざまな専門家やヘルシンキの人々の知見に触れながら、フィンランド流の幸せの本質を追求するという、世界でも稀に見るツアーを体験しました。ツアー参加者は、フィンランドの穏やかな風景、豊かな食文化、革新的なデザイン、独特な魅力に夢中になりました。

エンリケは、フィンランドの活気ある文化、進歩的な価値観、心身の健康や人とのつながりを大切にする取り組みなどを振り返り、今回のツアーのハイライトについて語っています。そのすべてがフィンランドを訪れるべき理由です。

自然、文化、つながりを通して幸せを発見

エンリケは、フィンランドへの旅を振り返って語ります。「周囲とのつながりが深い国を想像してみてください。自然や文化、ライフスタイル、そして人々が深くつながりあっている国を。フィンランドは千の湖と白夜の国だと聞いていましたが、世界でも有数の魅力あふれる国を訪問するという体験は、私の想像をはるかに超えていました」

エンリケは、ブラジル出身で34歳のゲイ男性です。期待と好奇心からツアーに参加しました。「活気に満ちた文化と情熱的なエネルギーで知られる国から来た私は、母国ブラジルとは全く異なる場所で、人生と幸福についてどんな視点を学べるのかを知りたくてたまりませんでした。到着してすぐに、すべて理解できました。フィンランドが7年連続して世界で一番幸せな国に選ばれた理由を肌で感じることができたのです」

飛行機がフィンランド領空に入った瞬間、エンリケは窓の外の素晴らしい景色に魅了されました。眼下には、広大な緑の絨毯が何キロメートルにもわたって広がり、そこに何百もの湖が点在し、地平線まで届く木々の深い緑と美しいコントラストをなしていました。その瞬間にエンリケの心を圧倒したのは、感謝の気持ちでした。

クレジット: Henrique Chirichella

本当の自分を大切にする

エンリケとそのボーイフレンドは、締め切り間近にヘルシンキ ハピネスハック体験ツアーに応募することを決めました。「LGBTQ+のカップルとして、多様性とLGBTQIA+の権利において世界でも有数の先進国を訪問する参加者に選ばれたことが、信じられなくて興奮しました」とエンリケは語ります。「もちろん、私たちにとってのハピネスハックは、本当の自分をさらけ出すことでした。今回のツアーに選ばれて幸運でした」

ヘルシンキ空港に到着した瞬間、エンリケはジェンダーニュートラルなトイレの存在に衝撃を受けました。「それは、フィンランド社会がすべての人々の幸せを心から気にかけていることを示す最初の兆候でした」やがて彼は、フィンランドを真に定義するものは、深いコミュニティ意識とつながりであることに気づき始めました。

エンリケは、フィンランドが世界で初めて女性の政治的権利を認めた国であり、これこそ平等に対する広範な取り組みを物語る画期的な出来事であると指摘します。こうした公平な姿勢は、LGBTQIA+コミュニティにも及んでいます。「プライド月間を支援するレインボーフラッグがこれほど多く掲げられているのを見て、信じられないほど感動しました。公の場で愛情表現をしても非難される心配をせずに同性愛カップルでいられる自由は、フィンランドが社会的な進歩を遂げたことを如実に示しています」

Credits: Svante Gullichsen

進歩とは、フィンランド全体を表す言葉です。サステナビリティへの取り組みと環境への深い関心は、国民が自然に対して敬意を抱いていることの表れです。「熱帯の国に住むブラジル人として、フィンランド人が周囲の自然環境と真に意味のあるつながりを感じている様子に感銘を受けました」とエンリケは語ります。「最も印象的な瞬間のひとつは、島の岩肌を裸足で歩いたことです。ささやかで地味な行為なのに、なぜか涙がこぼれました」

エンリケによると、フィンランド人はウェルビーイングを促すシンプルな活動を大切にしています。「陶芸ワークショップへの参加、スケートボード、サウナで過ごすひととき。フィンランド人は人生のささやかな喜びを味わう方法を知っています」このような活動が自己の内面に通じる入り口となり、活力を取り戻す瞬間をもたらす、と言います。「教訓として、こうしたシンプルな瞬間を大事にすること、そして何か新しいことをやってみたいという気持ちがあれば、とにかくやってみることが重要だと気づきました」

クレジット : Svante Gullichsen
クレジット: Svante Gullichsen
クレジット: Svante Gullichsen

バランス重視とつながりの大切さ

フィンランドでは、仕事と生活の質とのバランスを重視する傾向が顕著です。「このアプローチは、生産性の向上だけでなく、国民の幸福度や満足度を高め、健康増進に役立っています。そして、他者との交流の仕方にも明らかに影響しています。フィンランド人は控えめだという噂に反して、私は最初から温かく迎え入れられているように感じました。また、フィンランド人が交流において誠実さを重視していることにも気づきました。信頼が鍵であり、沈黙(気まずく感じることがない)さえもつながりを深め、本物の永続的な絆を育みます」エンリケは、パーソナルスペースと個性を尊重することで、交流がより誠実で有意義なものになると強調します。

敬意は食べ物や食事にも及びます。「フィンランド人は新鮮な地元の食材を尊び、よく旬のオーガニックな食材を選びます。食事はゆったりと過ごす憩いのひとときであり、サステナブルな習慣が取り入れられ、無駄が最小限に抑えられています。食事を共にすることは、食物を摂取するだけでなく、周囲の人々とつながる時間をもつことなのです」

クレジット: Svante Gullichsen

フィンランド流の生活と幸せのバランスを大切に

エンリケは、フィンランドでの時間を振り返って、最後にこうまとめました。「帰国してしばらく経ちましたが、フィンランドの一部を持ち帰ってきたような気がします。示唆に富んだ旅を通じて、自然、文化、コミュニティへの感謝の気持ちが深まりました。平等やサステナビリティに取り組み、シンプルな喜びに集中することを通じて、日々の生活に織り込まれているささやかな幸せに気づくようになりました」

フィンランドは、素晴らしい景観から先進的な社会的価値観まで、仕事と生活との調和がとれたバランスを体現しており、誠実な人間関係を重視しています。「今回の旅は、ただの冒険旅行ではありませんでした。人生観が変わりました。ささやかな瞬間を大事にすること、本当の自分を大切にすること、人々と自然の両方に敬意を抱くことを教えてくれました。フィンランドの豊かで喜びに満ちた社会の模範事例は、私の心に残り、充実した人生を送るとはどういうことかをあらためて考えるきっかけになりました。本当に一生に一度の経験でした」と、エンリケは締め括りました。

Credits: Svante Gullichsen

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