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クレジット: Romain Castello
フィンランドは、とても過ごしやすい国。公共サービスはスムーズに機能し、犯罪や汚職も少なく国民からの政府への信頼が厚いと言われています。あらゆるサービスや仕組みが組み合わさって、便利で機能的な社会と、暮らす人を温かく見守る文化が生まれました。それは、国を訪れる旅行者に対しても同じ。フィンランドは、すべての人が歓迎される安心安全な旅行先です。
最北の地では、暗くて寒いだけでなく、美しい絶景を目撃することができます。ラップランドでは、年間約200日の夜に、特に空が晴れている夜は毎日のように、北極光とも呼ばれるオーロラが観測されます。オーロラを初めて自分の目で見ることは忘れられない体験。何回見ても、その新鮮味が薄れることはありません。クリスタルのような澄みきった空に、電気の作用で発生するオーロラ。蛇行する緑と青の光を見るとワクワクするもので、たとえそれが82回目の観測だとしても、初めて観測した時と同じような高揚感を覚えます。
夏真っ只中の数か月間は、日没がありません。フィンランド南部では、地平線の下にほんの一瞬沈んだかと思った太陽が、再び姿を現します。ラップランドの北極圏では、長い時では2か月の間、太陽が沈みません。北に行くほど太陽が沈まない白夜の期間が長くなります。この期間、すべての人が精力的に活動し続けます。
フィンランドでは、約500万人の人口に対し、300万のサウナが存在します。このような桁違いの数のサウナがあるのは、フィンランドのサウナ文化の賜物で、フィンランドのサウナはユネスコ無形文化遺産に登録されたほど。サウナは、フィンランド人の暮らしと健康に欠かせない重要な習慣です。現地の文化や幸福感を味わうには、まずサウナから体験してみましょう。フィンランドの人々にとって、サウナは湖畔で過ごす時間と密接な関係があります。多くのフィンランド人が夏を過ごす湖畔のコテージには、「サウナ・ポーチ」がつきもの。フィンランド全国にまたがる188,000の湖に300万のサウナがあり、汗と一緒にネガティブなものを流せる場所が、すべての人に用意されています。
ベリーを摘む、キノコを採る、釣竿を使って魚を釣る。これは、フィンランドでは誰もができる日常です。フィンランドでは、「すべての人の権利」(自然享受権)に、人々が責任を持って、自由に自然を享受する権利が述べられています。フィンランドは世界一空気が綺麗なので、野生で育つ食材はおいしくて新鮮。ポルチーニ茸やクラウドベリーのような野生に育つ贅沢な食材を見つけることは至福の瞬間であり、「クラウド(雲)」の名前が示すとおり、天国のような贅沢なディナーの時間をもたらしてくれます。
フィンランドでは、森は常に近くにある存在で、手軽に行けるスポット。ヘルシンキの中心街からは、30分以下で国立公園に行くことができ、わずか15分で近くの島に「逃避」できます。フィンランドには、ハイキングルート、自然遊歩道や、星空の下で夜を過ごすためのキャンプファイヤー場が多数ある国立公園が計40か所存在します。南部の森では植物が生い茂り、北極圏の森は驚きに満ちています。フィンランドの森はすべて形や大きさが様々で、まさに多様性の結晶です。
フィンランド人を題材にしたジョークに、「人に話しかける時、内向的なフィンランド人は自分の靴を、外向的なフィンランド人は相手の靴を見る」というものがあります。「フィンランド人は控えめだ」という固定概念がありますが、実はたいていの場合、その逆です。実際のフィンランド人のアイデンティティは、話好き、サービス精神が旺盛で、心が温かいこと。これがフィンランドの幸福感を生んでいるのです。興奮や幸せを周りに伝染させながら、自分の体験談やフィンランドの素晴らしさをワクワクしながら話してくれる、素敵な地元民がたくさんいます。