フィンランド各地のこの上なく美しい図書館

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フィンランドのロヴァニエミ図書館内の本と読書エリア。

クレジット: Rovaniemi Library, Alvar Aalto

地元の人々の生活を体験するには、フィンランドの人々が多くの時間を過ごす場所に行ってみましょう。フィンランド各地の図書館は、本や知識以上のものを提供する共同のリビングルームです。これらの図書館は、設計された世紀と時期を代表する魅力的な建築が特徴です。多くの建物はフィンランドの自然からインスピレーションを得ています。フィンランドでよく知られる動物であるトナカイの頭の形のように設計された都市計画もあります。

ここでは、フィンランド各地の最も素晴らしい図書館を集めました。静かに瞑想するための天国のような図書館もあれば、家族全員で楽しむ幅広いアクティビティを提供している図書館もあります。最高に素晴らしい点は?これらの図書館は誰でも無料で利用できることです。

クレジット: Helsinki University Library

1.フィンランド国立博物館(ヘルシンキ)

巨大な木製の扉を通り抜けると、アーチがある高い天井、華やかに装飾されたシャンデリア、壮大さの感覚に迎えられます。読書室はやわらかい自然光に包まれており、時間が止まっているような感覚に襲われます。

本館は1840年代にさかのぼり、図書館は元老院広場に完全に残っている新古典主義建築を構成しています。ヘルシンキに滞在中は、通りの向かい側にあるヘルシンキ大聖堂など、建築家カール・ルードヴィッグ・エンゲルが手がけた他のランドマーク的建造物の見学もおすすめです。見学をする前に利用ガイドラインを読んで理解するとともに、次の大事な試験や科学的発見に備えて勉強している人々に配慮してください。開館時間については、国立図書館のウェブサイトを参照してください。

クレジット: Yiping Feng & Ling Ouyang, Helsinki Partners

2.Oodi(オーディ)図書館(ヘルシンキ)

ヘルシンキの中央図書館である Oodi は、2018年に開館して以来、地元の人々のリビングルームとなっています。Oodi 図書館が特別なものである理由は、その見事な建築デザインだけではなく、可能な図書館の姿を再考しているからです。1階で見知らぬ人とチェスをしたり、ゲームルームに行って、盤上ゲーム、バーチャルリアリティや、レトロなコンソールゲームをしたりすることができます。アーバンワークショップエリアでは、レーザーカッター、3Dプリンターを使用して作業することができ、あらゆる年齢層が対象のさまざまなワークショップやイベントに参加することもできます。ヘルシンキに子供連れで旅行する場合は、インタラクティブなおとぎ話の壁や遊び場で遊ぶのがおすすめです。人気のトーロンラフティ(Töölönlahti)公園を見下ろすサンテラスでコーヒーを楽しむこともできます。

営業時間、イベント、各種アクティビティの予約方法などの最新情報は、Oodi のウェブサイトを参照してください。図書館は主要鉄道駅に近いほか、Musiikkitalo(ムージークキタロ)コンサートホールKiasma(キアスマ)現代美術館からも歩いてすぐのところにあります。Oodi は、驚嘆させられるヘルシンキ空港の新しい出発・到着ビルも手がけた ALA Architects が設計しました。

クレジット : Tuomas Uusiheimo
クレジット: Tuomas Uusiheimo

3.ヘルシンキ大学図書館カイサハウス(Kaisa House)

カイサハウスはヘルシンキの中心に近いカイサニエミ(Kaisaniemi)地区に2012年に完成しました。これはヘルシンキ大学の主要図書館であり、現代建築の真の宝石です。周囲に比べて力強く、特徴ある存在感が注目を集めます。ファサードには大きく広がる窓があり、館内にたっぷりと自然光を取り込んでいます。楕円形の開口部によって明るく魅力的になっているスペースに、図書館の読書エリアの大部分がよく考えて配置されています。外観は暗色の頑丈なレンガで覆われており、周囲の歴史的建造物と図書館の建物をつないでいます。

この建物は Anttinen Oiva Architects が設計したもので、毎年100万人以上の人々が来館します。ヘルシンキはコンパクトで歩きやすい都市なので、Oodi、国立図書館やその他のヘルシンキの珠玉の建築物を訪れるならば、ここの見学を簡単に組み合わせることができます。

Credits: Team Finland

4.フューリ(Fyyri)図書館(Kirkkonummi、キルッコヌンミ)

Fyyri 図書館は、大きなヘルシンキ地域の一部であるキルッコヌンミ市にあります。鉄道のヘルシンキ駅から、ローカル列車に乗ると、1時間以内に Fyyri 図書館に到着します。Fyyriは、またもや JKMM Architects が設計した傑作です。広大な読書ホールが銅製の鱗(うろこ)のような外装に見事に隠されているのを見れば、2020年の建物が1980年代の古い図書館の構造を包み込んで造られたことが信じられないかもしれません。

その結果、図書館、コミュニティセンター、レストランとして機能する全く新しい多機能施設が誕生しました。この国際的に高い評価を得ている建築物は、これもまた訪れる価値がある近くの中世のゴシック様式の石造りのキルッコヌンミ教会と美しく調和しています。開館時間については、図書館のウェブサイトを参照してください。

クレジット: Fyyri Library Kirkkonummi

5.メッツォ(Metso)中央図書館(Tampere、タンペレ)

タンペレ市の図書館はフィンランドの自然からインスピレーションを得ています。上から見た建物は、オオライチョウ(metso)と言う、フィンランドの森でよく見かける大きな鳥の形をしています。図書館は、タンペレ西部のダウンタウンを走る長い緑の大通りである、ハメーンプイスト(Hämeenpuisto)にあります。ハメーンプイストは、北のナシンプイスト(Näsinpuisto)公園と南のエテラプイスト(Eteläpuisto)公園という、人気のある2つの公園を結ぶ大通りです。タンペレのこの一帯を散策する機会に、非対称のバランスと曲線的な形を鑑賞できる図書館の中に入ってみましょう。

建築家のライリ・ピエティラ、レイマ・ピエティラ夫妻が手がけた建物には、直線的デザインがあまり使われていません。1970年代や1980年代では、彼らの建築的アプローチはまさに画期的なものでした。同夫妻は、ヘルシンキにある記念碑的な大統領官邸やムーミンの生みの親であるトーベ・ヤンソンのシンプルな島の小屋の設計も手がけています。図書館やその開館時間の情報は、メッツォ図書館のウェブサイトを参照してください。

クレジット: Laura Vanzo, Visit Tampere

6.トゥルク市立図書館

モダンなデザインを持つトゥルク市立図書館は、周囲の歴史ある建築とシームレスに共存する、印象的な建築の傑作です。この図書館の最も古い部分は1903年にさかのぼり、オランダ後期ルネサンスからインスピレーションを得た装飾と壮大さを特徴とします。2007年に JMKK Architects が手がけた現代的で洗練された拡張部分は、中央に心落ち着く中庭スペースを作り出しつつ、この最も古い部分と調和しています。

フィンランド最古の都市トゥルクの図書館は、トゥルクの他の代表的な観光スポットが並ぶ、アウラヨキ川のほとりにあります。絵のように美しい川の流れを飾るように、歴史が感じられる建物、洒落たレストラン、美術館・博物館、カフェが並んでいます。この図書館は、トゥルクの美しい丸石を敷き詰めた通りを散策する際に足を休める場所にぴったりです。開館時間の最新情報については、トゥルク市立図書館のウェブサイトを参照してください。

Credits: Jemina Sormunen

7.アピラ・アアルト(Apila & Aalto)図書館(Seinäjoki、セイナヨキ)

セイナヨキは、南オストロボスニア(ポフヤンマー)県に位置し、海岸部の都市ヴァーサから内陸に約80km のところにあります。この図書館もアルヴァ・アアルト建築の数ある「巡礼地」の一つですが、それだけではありません。第一に、この図書館は、アアルトが手がけた多くの建物や注目するべき場所の一つであり、1920年代の初期作品が含まれます。第二に、2012年に JKMM Architects が手がけた意欲的なアピラ図書館が追加されて、アアルト図書館が拡張されました。

アピラ図書館のデザインは、日本の折り紙の芸術からインスピレーションを得ています。ファサードは銅製の鱗デザインで覆われており、読書室の大きな窓の壁は、そばにあるアアルト図書館の建物に敬意を表しつつ、図書館エリアに屋外スペースを取り込んでいます。アピラ図書館では、ユリョ・クッカプロがデザインしたアームチェア、Artek のスツール、Nikari のテーブルなど、フィンランドのクラシックデザインを見ることができます。子供連れの来館者には、おとぎ話の部屋や壁に組み込まれた読書コーナーが用意されています。開館時間などの詳細は、図書館のウェブサイトを参照してください。 

クレジット: Mariia Kauppi

8.ロヴァニエミ市立図書館

ロヴァニエミ(Rovaniemi)は、フィンランド北部のラップランドの北極線上にある都市です。第二次世界大戦中に市の大部分が破壊され、その再建は建築家のアルヴァ・アアルトの北極圏ビジョンに基づいて進められました。ロヴァニエミの都市計画の形はトナカイの頭を模しています

市内には、アアルトの主要作品として知られるアアルト・センターがあり、ロヴァニエミ市役所、劇場、会議場のラッピア・ハウス、ロヴァニエミ市立図書館で構成されています。アアルト・センターのすべての建物には、明るい色のレンガとセラミックの棒タイルの外装が使用され、全体が統一されています。インテリアのスペース、素材、家具、照明器具のすべてが、アアルトの綿密な考察のもとにデザインされています。図書館は1968年に完成しました。リズミカルに折りたたまれた窓のないファサードの上部に窓が配置され、建物内に自然光が取り込まれています。手つかずの北極圏の自然に足を踏み入れて、アアルトがどこでインスピレーションを得たのか、また、丘原、オーロラ、白夜などの北欧の自然が、彼の作品の形や構成にどのように解釈されているのかを理解しましょう。 

クレジット: Rovaniemi Library, Alvar Aalto

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