フィンランドで自己発見 – 旅行者のストーリー

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浜辺に立つひげの男性。

クレジット: Vertti Luoma

あなたにとってフィンランドの特別な点は?

フィンランドを訪れる外国人の宿泊数は合計で延べ500万泊を超えます。これはかなりの数字ですが、そもそもこの人たちがフィンランドを選んだのはなぜなのでしょうか?旅行者から見て、フィンランドが他の国と異なるのはどの点なのでしょうか?

このことについてもっと詳しく知りたいと思い、2023年の夏、フィンランドで行われた様々なイベントにカメラマンを派遣し、イベントを訪れた外国人たちにインタビューをしました。

インタビューの結果は以下の通りです。

シュテフィとイェン(ドイツ):「フィンランドの人たちは心が広く、偏見がありません」

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シュテフィとイェンは、ヘビーメタルの祭典、トゥスカ・フェスティバルに、毎年ドイツからフィンランドまでやってきます。イェンは2018年にはフィンランドに住んでいたこともあり、友人もいます。

二人ともフィンランドの人たちは心が広く、偏見がない、つまり見かけや行動から他人を判断しないと見ています。ドイツではゴシックメタル好きの見かけに対して時に偏見ある態度も経験したイェンは、この点でフィンランドのことを素晴らしいと感じています。フィンランドの人たちは、自分が誰であろうと、自分らしく生きることを認めてくれる傾向があります。

毎年訪れるトゥスカ以外にも、シュテフィとイェンは、ヘルシンキ周辺で様々なパブやカラオケバーに入って、地元のパブ文化を満喫しています。フィンランドの自然にも深いつながりを感じるようになり、フィンランドの人たちが周囲の自然と強く結びついていることに感心しています。二人は、フィンランドの人たちのように自分たちも心が広く、偏見を持たないと思っています。友人たちやトゥスカ・フェスティバル、そしてフィンランドの全体的な雰囲気が大好きな二人はこれからも頻繁にフィンランドを訪れることでしょう。

Credits: Vertti Luoma

ジョナサン(ウェールズ):「サウナにハマりました」

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ウェールズ出身のジョナサンは、交換留学生としてフィンランドに来て、滞在中に特別な人に出会いました。それ以来、フィンランドで暮らし、この国は安全で自然にあふれる場所だと語っています。安全だと感じ、家族を築くのにフィンランドは最高の所だと信じています。

自然を愛するフィンランドの人たちをジョナサンは高く評価しており、そのことはアウトドア好きで自由に歩き回れることを好む彼自身の価値観とも一致しています。フィンランドのサウナ文化を通じて、多くの友だち、知り合いができました。その一方で、多くのフィンランド人と同じように、彼も孤独を楽しみ、森が彼にとって最高の友です。ジョナサンの最初のフィンランド体験はサウナで、いちばん気後れしたのは見知らぬ人の前で服を脱ぐことでした。それ以来、サウナのことがだんだん好きになり、サウナにハマるようになったと言います。

現在、彼はSompasauna(ソンパサウナ)で中心的な役割を果たして活躍しています。Sompasaunaは「ヘルシンキの最も公共的なサウナ」と呼ばれており、無料で年中無休24時間営業。使用する人なら誰でも運営できます。

アレクサンドラ(ロシア):「フィンランドでは自然が自分の近くにあるのではなく、自分を包んでくれています」

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アレクサンドラに会いました。彼女は元々The Helsinki Prideで働くためにフィンランドにやって来ました。フィンランドの人たちがとても誠実で率直であることを彼女は称賛しています。「フィンランド人は有言実行です」

アレクサンドラはフィンランド人の同僚たちと心が通い合うようになったと同時に、自然、特に森の自然ともつながっているという感覚をもつようになりました。フィンランドの自然は自分の近くにあるのではなく、自分を包んでくれていると語っています。

アレクサンドラによれば、文化によって人びとはフィンランドに惹かれて、絶えず戻ってきているといいます。フィンランドの人たちはやることがユニークで、自分に正直である点を彼女は心から称賛しています。

アンドリュー、カサンドラ、ヴァレンティーナ:「フィンランドのことが好きになって、ここに移り住みました」

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The Helsinki Prideではイギリス出身のアンドリュー、オーストラリア出身のカサンドラ、ロシア出身のヴァレンティーナにも会いました。

カサンドラはフィンランドで暮らすようになって5か月、ヴァレンティーナは5年です。カサンドラは昨年フィンランドを訪れ、とてもよかったので、実際ここに移り住むことに決めました。ヴァレンティーナは元々、学業のためにフィンランドに来て、現在は仕事をしています。

アンドリューは生活や仕事に対するフィンランドのスタンスが好きで、ここでは人びとが決してストレスを感じているようには見えないと言っています。カサンドラは、フィンランド人は本当に世界で一番幸せで、しかもとても謙虚であると思っています。ヴァレンティーナは、フィンランド人が見かけや、何をしているかを(いい意味で)気にしないことを素晴らしいと評価しています。

もしフィンランドを離れたとして、恋しくてまたフィンランドに帰って来たくなる理由は、との質問に三人は答えて、「サウナ、フィンランドの夏、樹木、人びと。そしてロンケロ!」

豆知識:ロンケロはジンをベースにしたアルコール飲料で、フィンランドでは最も知られているものの一つです。1952年ヘルシンキ・オリンピックの時に初めて販売されました。 

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ケニス(香港):「フィンランドで本物のサンタクロースに会ってみたいです」

香港出身のケニスは、友人を訪ねてヨーロッパ中を旅行する途中でヘルシンキを訪れました。フロー・フェスティバルで彼女にインタビューしました。

短いヘルシンキ滞在中に彼女は暖かく迎え入れられていると感じました。フィンランドの人たちは非常に時間厳守ではあるものの、親切で礼儀正しいと彼女は思っています。それからまた、フィンランドの人たちが彼女にパーソナルスペースを与えてくれることも評価しています。

ヘルシンキにまた来たいですかと尋ねたら、ケニスはまた来たいですと答えました。フロー・フェスティバルを訪れることを毎年の恒例にしたいと言いました。ケニスは冬のフィンランドもぜひ体験して、本物のサンタクロースに会ってみたいと語りました。

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シャミム、マーシー、キーラン:「フィンランドの人たちは他人を尊重してくれます」

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インド出身のシャミムは、フィンランドに暮らすようになってからもうしばらくになります。ケニア出身のマーシーはオペアとしてフィンランドでホームステイをするために来ました。米国出身のキーランは、奥さんの都合でフィンランドに来ました。ヘルシンキのフロー・フェスティバルで、この三人に会って話を聞きました。

シャミムは、フィンランドの人たちが他人にパーソナルスペースを与えることと自然への近さを素晴らしいと思っています。マーシーは生活が高水準であること、サウナ、フィンランド人の「シス」、平等、そしてフィンランドのトイレにあるビデ・シャワーが気に入っています。キーランは、フィンランド人が、他人があるがままの自分であることを認め、他人を尊重する態度を示すことが好きです。

フローはフィンランドで最も人気のあるフェスの一つで、毎年8月にヘルシンキで催されます。
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クリス(米国・ミネソタ):「サウナオタクになりました」

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Sompasaunaで会ったクリスは、アメリカのミネソタ出身です。ミネソタ大学の学生だった彼は、フィンランド人の女の子と知り合い、彼女といっしょになるためにフィンランドに移り住むことを決断しました。

クリスは、故郷とフィンランドとの間には共通点があると思っていますが、フィンランドの方がもうちょっとピュアで自然に近いと感じています。ヘルシンキで様々なサウナを訪ねましたが、無料で誰にも開放されているSompasauna(ソンパサウナ、現在はヴェルコサーリに移転)のことを耳にし、すぐにこのコミュニティのことが好きになって、常連になりました。クリスは自分が「サウナ好き」であること、それどころか「サウナオタク」であることを誇りに思っています。フィンランドのサウナ文化を高く評価し、サウナが瞑想を促進することを素晴らしいと考えています。サウナはまたオープンな討論も促進しながら、同時に孤独の必要性も尊重しています。これはアメリカでは一般的ではない、と彼は考えています。

フィンランド人のことをひと言で表わすなら、「謙虚であること」だと言い、この性質を彼は非常に尊重していると語っています。サウナ文化以外に、クリスがフィンランドで素晴らしいと思うのは、新鮮な空気、そしてもちろん彼の奥さんと家族です。"Suomi on ihana maa!"(フィンランドは素晴らしい国です)と彼は言います。

豆知識:ヘルシンキ地域には、10以上の公共サウナがあることをご存じですか?Sompasaunaなどの最も興味深いサウナについては、myhelsinki.fi! を参照してください。

ゲイル(ノルウェー):「ビデオゲームを通じてフィンランドとつながるようになりました」

ノルウェー出身のゲイルは、元々ビデオゲームを通じてフィンランド、そしてオンラインで会う友人たちとつながるようになりました。彼は週末をトゥスカ・フェスティバルで過ごすために、ヘルシンキに来ました。 

フィンランド人についての印象を彼は次のように表現しています。「フィンランドの人たちは、家族や友人とよく集まるので、他の者の考えを柔軟に受け入れ、一緒に時間を過ごすようになります。それほどよく知らない人とも一緒になる。だから一緒であるということがもっと革新的な意味を持つようになるのです。ゲイルがフィンランドに惹かれ、また訪れてみたいと思うのも、こうした相互の関心やアイデアがあるからです。

豆知識:フィンランドは、革新的なゲームを開発するスタジオ、ユニークなゲームのコンセプト、そして根強いゲーム文化があることで有名です。『マックス・ペイン』や『アングリーバード 』といったゲームもフィンランド生まれです。ラッペーンランタ=イマトラ地方にある『アングリーバード 』をテーマにしたアクティビティパークを訪ねてみたり、エスポーロヴァニエミの『アングリーバード 』プレイグランドに行ってみたりするのもおすすめです!

クレジット: Vertti Luoma

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Lonna sauna
Helsinki

LONNA'S SAUNA

2 時間

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