ムーミンに会いに行こう

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ナーンタリにあるムーミンワールドのムーミンキャラクターたち。

クレジット: Moomin World

ムーミンはフィンランド文化に欠かせない存在

かわいくて気まぐれな白いトロール、ムーミンは、フィンランドの文化と歴史に大きな足跡を残し、世界中の人々の心をとらえてきました。  

ムーミンの背後にいる作家でイラストレーターのトーベ・ヤンソンは、女性アーティストの道を切り開いた先駆者でした。ムーミンの物語は、子供が楽しめるだけでなく、大人にとっても深い意味をもたらすものです。スウェーデン語を母語とするヤンソンは、現代の北欧社会の重要な柱になっている多様性の受け入れやコミュニティといった価値観に光を当てました。  

今日、本やアニメ番組、美術館、クルーズ船、テーマパーク、さらには食器にもムーミンを見つけることができます。 

Credits: Sami Valikangas

ムーミンの歴史

ムーミンの本に出てくるキャラクターや出来事は架空のもので、一見子供向けだという印象を受けるかもしれませんが、物語にはより深い意味があります。トーベ・ヤンソンは彼女の個人的な価値観と自分の生活をムーミンの世界にしっかりと描きました。物語は、一体感、平等、同性愛などに触れます。

ムーミン谷では年齢やアイデンティティー、経歴にかかわらず、誰もが歓迎されます。毛むくじゃらのスティンキーや怒りっぽいリトルミイでも。

世界でたった一つにムーミン美術館

タンペレにあるムーミン美術館には、トーベ自身の人生が反映されているムーミンの物語の素晴らしい展示がいっぱいです。予約制のガイド付きツアーや展示を見て回ることで、トーベの女性パートナー、ヴィヴィカとの恋愛関係が、スーツケースに大きな秘密を隠しているトフスランとビフスランとして描かれているという話も聞くことができます。また、彼女の父親との複雑な関係が頑固なムーミンパパとして、愛情に満ちた母親が親切なムーミンママとして描かれているのも分かるでしょう。  

ムーミン美術館では、ムーミンの多面的な変遷をまるでムーミンのキャラクターの一人になった気分でたどることができます。美術館にはトーベ・ヤンソンと彼女のパートナーであるトゥーリッキ・ピエティラのスケッチや絵画、原画、イラストレーション、出版されたものもされなかったものも含めムーミンのその他の出版物など、かなりの量のコレクションがあります。 

ナーンタリのムーミンワールドテーマパークとレッパヴィルタのムーミンの氷穴

ナーンタリにあるムーミンワールドテーマパークは家族連れにおすすめで、魅力的なムーミンの世界に浸ったり、かわいいキャラクターたちに会ったりできます。ムーミンワールドでは、ムーミン一家のスイミング小屋で海の冒険に参加したり、素敵なおとぎの小道を歩いて魔女の家まで行ったり、伝説的なムーミンの家を訪問したりすることができます。このテーマパークは沿岸と群島地域のトゥルクに近い場所にあり、夏季にオープンしています。 

小さな湖水地方の街レッパヴィルタのムーミンの氷穴では愛すべきムーミンキャラクターの氷の彫刻が楽しめます。地下30メートルの神秘的な洞窟で、素晴らしい氷の彫刻を見たり、ドキドキしながら氷の滑り台を降りたりしてみましょう!Valtatie 5 (高速道路5号線)に近いこの氷穴は、車でクオピオに向かう途中で立ち寄ってみたい家族連れにおすすめの場所です。 

ムーミンワールド・ナーンタリで最も印象的な場所はムーミンの家です。
クレジット : 2020 Moomin Characters Tm & Dennis Livson
レッパヴィルタのムーミン氷の洞窟は地下 30 メートルにあります。
クレジット: Moomin Ice Cave

ムーミンが言うには、大人は滑り台で遊ばないものです。ばかげて見えるのを恐れているからです。

フィンランドの群島でトーベの幼少時代の冒険を追体験

トーベ・ヤンソンは、フィンランド群島のヘルシンキから50kmで1年中アクセスできるペッリンキ(スウェーデン語でペッリンゲ)島の西岸でほとんどの夏を過ごしました。身近にある自然と海、そして子供の頃の冒険は、ムーミンの物語に出てくる険しい谷、深い森、荒海のインスピレーションの源になりました。 

トーベの夏のコテージは、ペッリンキのクルーヴハル島にあります。クルーヴハルは、元のままの状態で保存されており、7月の1週間だけ一般開放されます。(スケジュールはこちらをご覧ください。)近くにあるショーデルスコール灯台では、実在のムーミンパパの灯台の魅力を探り、すべてが始まった場所バルト海の島々を眺めてみましょう。フィンランド群島の南西、キミトーン周辺の島にあるベンクトシャー灯台もフィンランド南部にある興味深い灯台の一つです。ベンクトシャーは北欧で一番高い灯台です。 

ペッリンキの島、トーベ・ヤンソンの小屋のあるクルーヴハルは、崖と岩だらけの岸部のある荒々しいながらも美しい場所です。クルーヴハルは1年に1週間だけ一般公開されます。
クレジット : Niko Laurila
ベンクトシャー灯台は、フィンランド南部のカスナス(Kasnäs)の港からボートで1時間の場所にあります。
クレジット: Julia Kivelä

ほかにもあるムーミンに会える場所

アートプロプロジェクトとしてのムーミンの発展は、フィンランドのデザイン企業Arabiaの有名なムーミンマグのように、布地、インテリアデザイン、キッチン用品デザインのモチーフとなりました。

ムーミンのオフィシャル運航船タリンク&シリヤのクルーズ船上では、ムーミンにハグをしたり、ムーミンのテーマルームに宿泊したりすることができます。アニメ好きなら、オスカー、BAFTA、エミー賞を受賞したチームが制作した新しいムーミン谷のアニメ番組がおすすめです。最後になりましたが、ヘルシンキ市立美術館 HAMのトーベ・ヤンソン展で、ペッリンゲ群島で過ごしたトーベの素晴らしい写真や映像を楽しみましょう。  

ムーミンの世界にどっぷり浸ってみたくなったら、moomin.comをご覧ください。

ヘルシンキとストックホルムを結ぶタリンク&シリヤのクルーズ船には、ムーミンのテーマルームがあります。
Credits: Tallink Silja

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