フィンランドで必見の美術館・博物館

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ヘルシンキのキアスマ現代美術館で歩く2人の女性。

クレジット: Harri Tarvainen

芸術から歴史、科学まで、フィンランドの最も興味深い美術館・博物館

くつろげるカフェ、魅力的なギフトショップ、目を見張るような建築。ここに紹介する博物館は、雨の日にしかたなく訪れる場所ではありません。過去と未来についての新しい視点を提供し、自分自身や周囲の人々について考える機会を与えてくれます。フィンランドの伝統、文化、科学、芸術を探りたいなら、必見の美術館・博物館の厳選リストをご利用ください。

すべてではありませんが、大部分の美術館・博物館は月曜日に閉館していることにご注意ください。開館時間やアクセシビリティについての最新の情報は、美術館・博物館のウェブサイトで直接確認するのが一番良い方法です。

ヘルシンキ都市圏で必見の美術館・博物館のリストについては、ヘルシンキ地域で必見のミュージアム10選という記事をご覧ください

1.ヘルシンキにあるスオメンリンナ(Suomenlinna)の海の要塞

スオメンリンナの海の要塞は、地元の人々にも旅行者にも人気のある目的地です。ヘルシンキのマーケット広場からフェリーに乗ってわずか20分で、この美しい島にタイムスリップすることができます。要塞の建設は18世紀後半にスウェーデンの統治下に始まりました。

今日、ユネスコの世界遺産に指定されているスオメンリンナには、レストラン、カフェ、アートギャラリーや、軍事博物館やスオメンリンナ博物館などの 6 つの博物館を含めた、さまざまなアトラクションがあります。しかし、島自体が最大の魅力です。歴史的な潜水艦から魅力的なおもちゃ博物館まで、隠された宝物を発見してください。季節限定のアトラクションもあれば、年中無休のアトラクションもあります。 最新情報についてはスオメンリンナのウェブサイトを参照してください。

訪問時には、年間を通じて約800人がこの島を故郷と呼んでいることに注意してください。スオメンリンナは、小道が丸石や砂利で舗装されているため、移動が制限されている人にとって困難な場合があります。最もアクセスしやすいルートについては、スオメンリンナのアクセシビリティについてのページを参照してください。

2.ヘルシンキにあるフィンランド国立博物館

フィンランド国立博物館で(Kansallismuseo)は、フィンランドの豊かな歴史を辿る魅力の旅を提供します。博物館では歴史ある工芸品や考古学的発見のコレクションが展示されており、フィンランドが受け継いできた伝統を垣間見ることができます。1910年に建てられた建物はナショナル・ロマンティシズムとアールヌーボーが融合した建築様式であり、エントランスホールにある民族叙事詩『カレワラ』を題材としたフレスコ画は見学する価値があります。

博物館はヘルシンキの中心部にあり、国会議事堂やヘルシンキミュージックセンター(Musiikkitalo)などの他のランドマーク的な建物に隣接しています。博物館はアクセスビリティが確保されており、すべての年齢層に適しています。

2023年10月16日以降はリニューアル工事のため休館となります。再開館は2025年または2026年の予定です。がっかりしないでください。わずか500メートルのところに、アモス・レックスとキアズマがあります。

クレジット: Niko Laurila

3.ヘルシンキにあるアモス・レックス

アモス・レックス(Amos Rex)は、最新の、しばしば実験的な現代アートを展示し、新しい展示が始まると、いつも街の話題にのぼっています。ヘルシンキのカンピ(Kamppi)地区の中心部に位置するこのミュージアムは、2018年の現代的なデザインと1930年代の機能主義建築を融合させています。この融合からは、公共広場の下から上がる優雅なドームを配した特徴的な地下ギャラリーという、魅力ある環境が創出されています。すべての人にとって楽しい体験が得られるように、小さなお子様連れのご家族の方は、このミュージアムのウェブサイトを訪問して現在の展示内容がお子様にも適しているかどうかを確認することをおすすめします。その博物館では、すべての人に完全なアクセシビリティを提供しています。

クレジット : Tuomas Uusiheimo
クレジット: Tuomas Uusiheimo

4.ヘルシンキにあるキアズマ現代美術館

キアズマ(Kiasma)は現代美術館です。ここでは、フィンランド国立美術館にある膨大なコレクションに収められた数十年の近代美術と現代美術を見ることができます。アモス・レックスから通りを挟んだ向かい側に位置するキアズマは、そのガラス張りの角張ったファサードが歴史を感じさせる街並みと大胆なコントラストをなすなど、視覚的に驚嘆させられる建築が特徴です。世界的に有名な建築家スティーヴン・ホールが設計した美術館は1998年にオープンしました。常設ではない展覧会に加えて、キアズマでは、家族全員が参加できるアート・ワークショップ、パフォーマンス、ガイド付きツアーが提供されています。 キアズマはすべての訪問者に完全なアクセシビリティを提供しています。

Credits: Julia Kivelä

5.ヘルシンキにあるアテネウム美術館

アテネウム美術館(Ateneum Art Museum)は、フィンランド芸術の本拠地であり、フィンランドで最も有名で代表的な美術館となっています。キアズマと同じく、フィンランド国立美術館のコレクションに収められている作品を展示していますが、16世紀から20世紀のモダニズム芸術に焦点を当てています。建物内では、アルバート・エーデルフェルト、アクセリ・ガレン=カッレラ、ヘレン・シャルフベックなど、フィンランドの有名な芸術家の傑作に出会えます。美術館のコレクションには、ポール・セザンヌ、マルク・シャガール、ポール・ゴーギャン、ヴァン・ゴッホなどの芸術家の作品を含む、約3万点の国宝が収められています。

1888年以来、アテネウムはフィンランドの芸術の中心的舞台となってきました。アテネウムは、1980年代まで美術学校として使用されていたネオルネッサンス様式の建物の中にあり、フィンランドの有名な芸術家を何人も輩出してきました。現在もアテネウムは活気ある芸術の中心地であり続けており、展覧会やイベントを開催しています。ヘルシンキの中央駅に隣接しているため、公共交通機関への接続が非常に便利です。アクセシビリティが考慮された入館やサポートの詳細については、美術館のアクセシビリティに関するウェブサイトをご覧ください。

クレジット : Aleksi Poutanen
クレジット: Yiping Feng, Ling Ouyang

6.ヴァンター(Vantaa)にあるヘウレカ

ヘウレカ(Heureka)は、実際に操作できるインタラクティブな展示がある科学センターです。この博物館は、あらゆる年齢層の見学者を科学と技術の驚異を体験するエキサイティングな旅に誘います。常設展示では、全身を使って検証できる多様な物理現象の展示が行われています。また、脳と感覚が魔法のように連携している様子についても展示されています。博物館ではまた、常設ではない展覧会も開催されています。ここでは、青少年者の好奇心が刺激されるとともに、大人も学ぶ喜びを再発見することができます。

ヘウレカはヘルシンキ大都市圏のヴァンター市ティックリラ(Tikkurila)地区にあります。ヘウレカへは、ヘルシンキの中央駅からローカル列車に乗って簡単に行くことができます。その所要時間は約20~30分です。博物館は完全なアクセシビリティを提供しています。

7.トゥルク(Turku)にあるトゥルク城

300年近くにわたる間、トゥルク城はフィンランドで最も重要な建造物でした。最も古い部分は13世紀にさかのぼります。それ以降、数多くの改装や増築の工事が行われており、そのような歴史の重なりのひとつひとつも魅力となっています。16世紀と17世紀の絶頂期には、アウラ川のほとりにあるこの荘厳な石造りの城はフィンランドで必見の場所とされました。

今日のトゥルク城は、トゥルク、フィンランド、スウェーデンの豊かな歴史を語るものとして、建築と歴史の上でフィンランドで最も重要な建造物に数えられています。常設展では、古い時代の日常生活や祭に焦点を当てる展示が行われています。トゥルク城はトゥルク県の旅行で必見のアトラクションであり、あらゆる年齢層に適した素晴らしい目的地です。丸石が敷かれた中庭と中世の防御構造のため、アクセシビリティは制限されています。城はトゥルクのマーケット広場から3 km です。城に行くには、市内を歩いて行くか、地元のバスにお乗りください。

クレジット : Visit Turku

8.トゥルク(Turku)にあるトゥルク美術館

トゥルク美術館(Turku Art Museum)では、この美術館を代表する作品や現代芸術の最新作品を見ることができます。フィンランドの芸術の黄金時代、フィンランドのシュルレアリスム、ポップアートを含めた広範囲で多様な芸術作品が含まれたコレクションに加えて、自画像のコレクションも魅力です。

美術館がある建物は1904年にさかのぼるもので、壮麗な花崗岩を使用して壮大さをテーマとしたナショナル・ロマンティシズムの建築様式を反映しています。美術館は市内を見下ろす丘の上にある絵のように美しいプオラランプイスト(Puolalanpuisto)公園内にあり、マーケット広場からはわずか 2 ブロック行ったところです。市の中心部を日中にゆっくりと散策しながら行くのにぴったりです。美術館は完全なアクセシビリティを提供しています。

クレジット : Vesa Aaltonen
クレジット: Turku Art Museum, Titus Verhe

9.マリエハムン(Mariehamn)にあるオーランド海事博物館

オーランド海事博物館(Åland Maritime Museum)では、海がフィンランドの人々の生活にどのように影響してきたかを知ることができます。1920年代に地元の船長が創立した博物館のコレクションは、その後も地元の船員や海運会社からの寄付を通じて大きくなりました。コーヒーポットから航海日誌、シルクのショール、機関員の帽子まで、船員の日常品が集められています。18世紀にさかのぼる歴史ある船員の用品の数々を見たり、試着したりしてみてください!

このオーランド諸島で必見の博物館に行くには、まずマリエハムンに行く必要があります。ヘルシンキ、トゥルク、ストックホルム、タリンから出ているフェリーに乗ってください。オーランドは、バルト海の真ん中にあたるフィンランドの南西海岸に位置しているため、出発場所に関係なく、フェリーで数時間かかります。マリエハムンに到着後、フェリーのターミナルからわずか 500 m、マリエハムンの中心街から 1 km の便利な場所に博物館を見つけることができます。オーランド海事博物館トラストは、その包括的な教育活動が評価された賞を含めた、いくつかの賞を受賞しています。博物館は完全なアクセシビリティを提供しています。

クレジット: Visit Aland

10.タンペレ(Tampere)にあるヴァプリッキ博物館センター

ヴァプリッキ(Vapriikki)は家族全員が楽しめるセンターです。タンペレの博物館センターでは、歴史、技術、自然科学などをテーマにした多様な展覧会を毎年開催しています。常に刺激的な催しがあるミュージアムセンターでは、体験学習の面でミュージアムの境界線を拡大しようとしています。ヴァプリッキでは、絶えず新しいものが提案される展示に加え、タンペレ自然史博物館、鉱物博物館、フィンランド ホッケー殿堂、郵便博物館、フィンランド ゲーム博物館などのいくつかの博物館も集められています。

Tampella 社の歴史ある工場ホールに設立されたヴァプリッキには、1880年代にさかのぼる同社の最も古い部品も展示されています。1990年代から2000年代にかけての工事を通じて、この旧工場跡地は博物館センターに姿を変えました。博物館センターは、タンメルコスキー(Tammerkoski)急流に近い便利な場所にあり、鉄道駅や市内中心部からは徒歩圏内です。 博物館は、来館者全員が完全に見学できるように、意図的にアクセシビリティを念頭に置いて設計されています。

クレジット : Visit Tampere, Laura Vanzo
クレジット: Visit Tampere, Laura Vanzo

11.タンペレ(Tampere)にあるムーミン美術館

クレジット: Laura Vanzo

ムーミンの熱烈なファンにとっても、単に芸術を愛好する人にとっても、タンペレのムーミン美術館(Moomin Museum)は、他に類を見ない魅惑的な体験ができる必見の場所です。ムーミン谷の魔法の世界に足を踏み入れると、飛行おに(ホブゴブリン)の帽子を探し出し、空にかかる彗星の光景を目にすることができます。美術館の中心には、トーベ・ヤンソンの原画の常設展があります。一方、展望台では、来館のたびに新しい発見を提供する展示会が企画されています。

ムーミン美術館は、タンペレの中心部に位置し、タンペレホールコンプレックス内にありますので、簡単に行くことができます。美術館は完全なアクセシビリティを提供しています。入場やサポートに関する詳細は、美術館のウェブサイトを参照してください。

12.マンッタ(Mänttä)にあるセルラキウス美術館ヨスタ

セルラキウス美術館ヨスタ(Serlachius Museum Gösta)では、フィンランド美術の黄金時代の傑作とヨーロッパの巨匠の絵画作品を収めた独特のコレクションを見学できます。この魅力的な美術館では、絵のように美しい湖畔を背景に、古典芸術と現代芸術が調和を保ちながら融合しています。製紙工場の所有者であったヨスタ・セルラキウスのかつての邸宅に置かれた美術館には、1940年代以来、ヨスタ・セルラキウス美術財団のコレクションが展示されています。この歴史ある邸宅は美術館に生まれ変わり、その建築デザインはフィンランドの建築家ヤール・エクルンドが手がけました。

美術館では、年間を通して、コンサート、演劇公演、セミナーなど、多様な文化イベントが開催されています。美術館複合施設には、ユニークなアートサウナが新たに追加されました。マンッタは長い伝統を持つ小さな町です。絵のように美しいフィンランドの湖水地方にあり、タンペレ市とユヴァスキュラ市の間という好位置にあります。この文化の宝石というべき美術館への行き方については、美術館のウェブサイトを参照してください。この美術館は地元の芸術や文化の愛好家にとっても注目すべき場所です。美術館は完全なアクセシビリティを提供しています。

クレジット : Serlachius Museums
クレジット: Serlachius Museums

13.ユヴァスキュラにある Aalto2

Aalto2 は湖水地方の中心であるユヴァスキュラ(Jyväskylä)にある建築、デザイン、文化の遺産を伝える新しいミュージアムセンターです。2023年にオープンしたミュージアムセンターは、フィンランドで最も著名な建築家アルヴァ・アアルトの多様な芸術形態を調和させた空間の構築というビジョンを実現するものです。このミュージアムは、アルヴァ・アアルト博物館という、アアルトの2つの建築物であるフィンランド中央博物館をつないでいます。

ミュージアムでは、歴史、デザイン、建築の世界に没入する展示に加えて、グループ向けのガイドツアー、デザインをテーマにした店、アアルト風のカフェも提供されています。 Aalto2 は完全なアクセシビリティを提供しています。

クレジット: Alvar Aalto Foundation, Maija Holma

14.プンカハリュにあるフィンランド森林博物館 Lusto

フィンランド森林博物館 Lusto(Finnish Forest Museum Lusto)は、湖水地方東部の風光明媚なプンカハリュ(Punkaharju)にあり、フィンランド人と森林の独特の関係を垣間見ることができます。森林はフィンランドのアイデンティティに不可欠なものであり、住民と訪れる人々の両方に経済、環境、レクリエーション、文化の点で恩恵をもたらしています。Lusto が提供する展覧会、広範囲をカバーするコレクション、興味深いイベント、テーマ別の催しは、フィンランドの人々の生活の中で森林が果たす不可欠な役割を如実に物語るものです。

展示のリニューアルのため、Lustoは2024年5月まで休館しています。

Credits: Finnish Forest Museum Lusto

15.ロヴァニエミにあるアルクティクム

クレジット: Visit Rovaniemi

アルクティクム(Arktikum)に行って北極圏に目を向け、極北の自然、文化、歴史の世界に浸りましょう。ここでは、気候変動や北方の先住民族の状況の変化など、世界的な出来事の影響について探究することができます。アルクティクムは、有意義な議論を展開して、北極圏についての知識を深めることに取り組んでいます。

科学センターおよび博物館として機能するアルクティクムは、ラップランドのロヴァニエミ(Rovaniemi)で人気のある文化のスポットとなっています。アルクティクムへはロヴァニエミ駅から徒歩約30分で行けます。また、ローカルバスに乗って行くこともできます。科学好き、歴史好き、または単に北極圏に興味を持っている人にとって、アルクティクムは北部の中心部へ魅惑的な旅をする機会となります。博物館はほぼ完全なアクセシビリティを提供しています。詳細はこちらをご覧ください

16.イナリにあるサーミ博物館 Siida

Siida では、サーミ文化と北部の自然の驚異を学ぶことができます。この博物館はサーミ人の精神的および物質的遺産を守り、展示することに取り組んでいます。その使命は博物館の壁を超えて外部にも及び、サーミ人のアイデンティティと自らの文化への誇りを育むことも目的としています。地元のサーミ協会によって設立された Siida は、北欧諸国初の独立したサーミ博物館として1960年代にオープンしました。

先住民族博物館の世界的なネットワーク内で積極的な協働を展開している Siida は、国際的にも影響力を持ちます。サーミ人として生まれた市民を含む自らの理事会で運営される Siida は、サーミ人の文化と伝統を保存、称賛、研究するための重要な中心であり続けています。

サーミ博物館 Siida はイナリ(Inari)とセヴェッティヤルヴィ(Sevettijärvi)で運営されていますが、主要施設はイナリにあります。ラップランド最大の都市であるロヴァニエミからイナリへは、330 km の距離を毎日運行するバスで行くことができます。また、ヘルシンキから近くのイヴァロ(Ivalo)への直行の航空便も利用できます。屋内の博物館は完全なアクセシビリティが提供されています。屋外エリアには砂利道がありますので、アシスタンスが必要になることも考えられます。

クレジット: Siida Sami Museum

フィンランドの他の特徴ある美術館・博物館

以下にあるのは、フィンランドでぜひ訪れていただきたい美術館・博物館です。

フィンランドにある 300 以上の美術館についての詳細な情報を得るには、museot.fi を訪問することをおすすめします。

Luostarinmäki Handicrafts Museum, Turku

The history of one of Finland's oldest cities, Turku, in an authentic setting.

美術館・博物館マップ

も参照してください